主婦の読書感想「不格好経営」
社会に出て働くという生活からすっかり離れてしまっておりますが、たまーにビジネス書を読むのが好きです。
しかし、なかなか女性が書いたビジネス書というのはまだまだ数が少ないのが現状です。以前書店のビジネスコーナーを見た時、そこにあった女性著者の本はたったの2冊で、1冊はシェリル・サンドバーグ氏の「Lean in」、もう1冊が南場智子氏の「不格好経営」でした。
「Lean in」の方を先に読みましたが、書かれている内容が仕事をしている、していない、に関わらずどんな女性にも共感されるような素晴らしい内容でした。(またブログに改めて書きたいと思います)著書が強調していることの一つに、女性はどんなに能力が高くても「自信がない」という潜在的な思いが強く、それを取り払うことが、自己にも他者からも必要である、とあります。なので、例えば女性が少ない役員職などに、積極的に女性を登用するくらいでないと!という主張です。
一方、ビジネス系のネット記事で南場智子氏は「女性だから、という理由で登用するのは、頑張っていて能力の高い女性に失礼である」と述べていました。両者の言い分は違います。なので、「不格好経営」がどんな内容なのか、著書はどういう考えを持っているのかと思い読んでみました。
真っ先に思った感想は、著者は非常に「男性的」な感覚で仕事をしてる人であるなあ、と。DeNAに入る前はマッキンゼーでコンサルタントとして猛烈に働いていた著者ですが、「数字と論理が大好き」なのでとても性に合っていたと述べています。そして「これだ!」と熱意をもって起業し、男性ばかりの社員でアパートの一室で寝袋生活や、ジャージ姿で奮闘、など、男臭さプンプン漂う環境でどんどん突き進んで行く様は、まるで青春もののドラマを見ているような読みやすさでした。(実際ものすごく苦労が多かったと思いますが、結構おもしろおかしく書いてあります)
旦那様とはマッキンゼーで社内結婚、お互い仕事優先で100%外食の結婚生活。それでも旦那様は仕事に没頭する妻をおもしろがって放っておいてくれた、というエピソードもユニークでした。なかなかこんな旦那様いないのでは?
ネタバレになりますが、最終的には旦那様の病気の看病のため、社長業を引退するんですけど、仕事優先だった妻が家族と過ごすことを決意した、というくだりがさらりと書かれています。これだけ会社が大きくなった中、本当に大切なものは何か、ということを決断し、潔く実行する決断力が素晴らしいと思いました。
さて、著書の女性登用に対する考え方は第7章「女性として働くこと」の中にしっかり書かれておりました。
(引用)
たとえば女性の執行役員が少ないから女性を選ぼうなど、性別で判断することはいっさいない。そんなことをしたら男性に対しても、そして何より頑張っている女性に対して、とても失礼だと思う。採用において、まったく同じ実力の男性と女性がいたらどちらを選ぶかと訊かれたこともあるが、まったく同じ実力のふたりなどいるはずもないのである。
(引用終わり)
ここだけ読むと、何やらドライ過ぎる感もありますが、ちゃんと前後を読むと社内の女性に対する配慮はきちんと考えていることがわかります。コメントって切り取りされて発表されるといろいろ誤解を生むのね~、と思いました。
個人的には、「Lean in」の著書の女性登用に対する考えのほうが、女性という本質的な特性を考慮、さらにアンケートや論文などのデータと共に掘り下げて考えられているので共感が持てますけどね^^
何やらとりとめのない読書感想文になりましたが、起業してあれよあれよと言う間に東証一部上場の会社になっていくストーリーは読みごたえがありましたし、著書が大切にしているチームワークの大切さや社員に対する愛情を随所に感じました。ただ、私はモバゲーなどしたことないこともあり(ファミコンで時代が止まっている笑)、ゲーム業界に対する理解はあまり深まらなかったですが、DeNAはゲームだけでなく野球チームの買収や、ウエディングなど、いろいろなビジネスを広げているので、将来どのくらい大きな企業になっていくのか楽しみになりました。
LEAN IN(リーン・イン) 女性、仕事、リーダーへの意欲
- 作者: シェリル・サンドバーグ,川本裕子,村井章子
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2013/06/26
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