北九州プロヴァンス!?ライフ

奈良から北九州へ引越してきました。グルメや育児のネタ中心の日記です♪

主婦の読書感想「ハウスワイフ2.0」

高学歴ながらキャリア形成よりも専業主婦になることを選んだ女性達を描いた新書「ハウスワイフ2.0」を読みました。

 

私も専業主婦ではありますが、この本に出てくる20~30代の女性達とは国も世代が違いますので、同じ専業主婦、という目線よりは日米の女性をとりまく環境、時代の流れ、世代間の違いという視点で読みました。

 

中流階級以上の出身で高学歴、若くてチャンスがたくさんあるのに、なぜゆえ専業主婦の道を選んだのか?という理由のひとつは意外にも、彼女達の母親世代への反動とのこと。彼女達の母親世代はひたすらキャリアを追求した結果、仕事と家庭の両立に疲れ果て、地位もお金も手には入れたが、結果として病気になったり精神を病んだ。そしてあまり家庭的なことをしてくれなかった母親の姿を見てきた結果というもの。ふむ~、母さんの背中を見て「アタシも仕事!」という子も育てば、「家庭に入るわ」と思う子も多いってことなのね。

 

また、母親世代のフェミニストは女性に高等教育を受けるチャンス、社会的地位を高めるチャンスを与えた一方で、家事を”抑圧されたつまらないもの”と否定した、と考える現代版ハウスワイフ2.0達は「女性が好きなことをする、という選択肢を自由に選べることこそがフェミニストなのだ!」と女性が意識的に伝統的な役割に戻ることを好意的にとらえています。

 

ハウスワイフ2.0達は、日本人主婦もビックリのマメさで家のことを切り盛りしています。彼女達(一部その夫達)に共通する家事とは・・・

1.自家製パンを焼く(さらにつわものは小麦も自分で挽く)

2.自宅の庭や畑で野菜を作る(さらにつわものは鶏や豚を飼育)

3.ジャムやトマトソースの保存食を作る

4.石鹸や洗剤を手づくりする

5.3食手づくりの食事、材料は自家製や農家から仕入れたものしか使わない

6.子供はホームスクーリングで教育

7.服や小物は手づくり、編み物が得意

 

そして、昔の専業主婦との決定的な違いは、手づくりのジャムや洋裁小物などをネットで販売したり、オーガニックな暮らしぶりをブログで発信していること。ハウスワイフ2.0はインターネットなしでは成り立たないと書かれています。中にはブログですごい収入を稼いでいる主婦や、手づくりの品物の売上で十分に稼いでいる主婦もいるとのこと。もしかしたら私にもチャンスが?と人気ブロガーのサイトを覘いてみましたが、とにかく内容がマメ!写真のクオリティがプロ並み!写真の量も多い!そして文章も長い!バナーてんこ盛り!と、どうみてもプロ以上のものでした。で、もちろん家のインテリアや子供達の写真など、プライベートはぜーんぶ晒してます~。私には到底無理っ。わかってたことやけど・・・^^;

 

物欲は捨て、手づくりできるものはすべて自家製にし、収入が少なくても家族と楽しくシンプルに暮らす。物欲や向上心にまみれた社会でつまらない仕事に時間を割かれ、心身を病むのはまっぴらごめん、という生き方を選択したハウスワイフ2.0。その選択は「選択的離脱革命」である。と力強く述べられています。

 

しかし、後半読み進むにつれて、その誇り高き「選択的離脱革命」が本当にいいの?と筆者が様々な角度から疑問を投げかけます。まず、アメリカのマスコミがこうした専業主婦の増加を、こりゃ好都合~♪とばかり推進しているせいなのではないか、と。専業主婦になるという理由の根っこの部分は、やりがいが仕事ではない、というものだけでなく、本当は女性が仕事をする上で、産休・育休など子育てのサポート体制が不十分・昇進しにくい・お粗末な福利厚生など、企業が未だ働く母親に優しくないという現状が多いにあるはずなのに、それをマスコミが報道せず、あくまでも女性が自分の意思で家庭に帰り、伝統的な役割を担いたがっている、というストーリーに仕立てているのではないか、という指摘。ふむ~、さもありなん!

 

また、ジャーナリストのレスリー・ベネッツ氏による家庭を選んだ若い女性達に向けた本の中で「若い女性が子育てと家庭を優先し、仕事をやめたりパートに替えたりすることにより、自分を危うい立場に立たせている」とさらに厳しく警告していることを紹介。突然パートナーが死んだら経済的にどうするのか?子どもはいつまでもママ大好き!と言ってくれる可愛い小さな子ではない、50代、60代になり、一人になったときにキャリアをやり直せるのか?などなど。ハウスワイフ2.0達の中には十分な教育費の貯金もできず、健康保険にも入らず(最低限子供の分のみ加入)、今の手づくりハッピー生活を維持するためにやりくりしている人達も多いとのこと。教育費に関しては、大学まではホームスクーリング、大学はいずれオンラインで一流校の授業が安価や無料で受けられる時代が来るからなんとかなるさ~と思っているそうです。楽観的!

 

しかしながら後半の鋭い指摘や警告で、やっぱりハウスワイフ2.0ってどうなのよ~?と思わせることなく、筆者がまとめとして、前向きな「ハウスワイフ2.0」の四つの条件を解説することにより、女性の多様な生き方をリスペクトしている爽やかなラストとなっています。

 

なんだか、読書感想文というよりは、あらすじ紹介になってしまいました^^;

 

浅い感想ではありますが、専業主婦の仕事である「家事」を、女性に産まれたばっかりにまだまだのしかかってくる、単調で地味~なルーティンワークと、今まで否定的にとらえていましたが、「家事」が好きな人は好きで、ハウスワイフ2.0が「家庭作り(ホームメイキング)」と堂々とそれを楽しんでいるのを読んで、ちょこっとだけ家事に対してポジティブな気持ちになりまして、毎日までとはいかないけど、第2子が産まれて落ち着いたら、パンやケーキでも焼いてみよっかな☆という気持ちになったのでした。(でも旦那よ、くれぐれも期待しないでください・・・)

 

 

ハウスワイフ2.0

ハウスワイフ2.0