北九州プロヴァンス!?ライフ

奈良から北九州へ引越してきました。グルメや育児のネタ中心の日記です♪

主婦の読書感想「女性の人生ゲームで勝つ方法~恋もキャリアも出産も!~」

この本が販売されたばかりのころ、電車の吊り広告で宣伝されていたのを見て、「こりゃまた随分挑発的なタイトルやな~、けど産婦人科医が科学的見解を基に書いているからどんな内容なんだろ」と気になっていました。

 

大阪で不妊治療を専門としているクリニックの産婦人科医である著者が、自らの転職、離婚、再婚、不妊治療、出産という波乱万丈な体験を綴り、産婦人科医として、また一女性として世の中の女性達へ「知識と勇気を持って前向きな人生を送って」と応援している内容の本です。

 

前半は、進化心理学を用いながら、おそらく大学生から20代前半の独身女性に役に立つであろう婚活テクニックが書かれています。ズバリ、「男性社員が多い会社へ就職するべし」とのこと。著者や私くらいの年齢になると、「それは近道だわね~」って思いますけど、大卒の若者にとってはよほどの結婚願望がその時からないと「そんな理由でキャリアを選ぶなんて~」ってひいちゃうかも知れないかな!?

 

中盤では、産婦人科としての専門的知識をわかりやすく示しながら、妊娠・不妊・出産について書かれています。以前NHKの番組で大きな話題となった、35歳を過ぎると卵子の老化が原因で妊娠が難しくなる、というテーマにも触れ、事実として卵子がどのように作られ、どのように減っていくのかを説明しながらも「加齢による不妊」が独身生活を謳歌し、仕事に没頭し、自由を謳歌してきた「烙印」のように女性が責められているのでは?と一方的な世間からの目に対し、情緒的な見解を述べています。

 

そこでこの本のキモとなるべきメッセージが出てきまして、それは「20代で卵子を凍結保存、30代は仕事に恋愛に没頭し、アラフォーで出産しましょう~!」という著者の主張です。そして、卵子を凍結してアラフォーで出産した患者さんの例や、現在の生殖補助医療技術の紹介をしています。

 

後半では、これからの女性のライフスタイルとして、キャリア、子育て、国の政策について書かれています。不妊治療の一環として、精子提供の利用は国内でも比較的容易に利用できるのに比べ、卵子提供や代理懐胎を利用するのハードルが高いのは、「日本産科婦人科学会」という一学会が「学会の会告に違反する」という理由で卵子提供や代理懐胎を行うクリニックを学会を除名する権力があるからなのだそうです。

 

もちろんクリニックで勝手に卵子提供や代理懐胎のサービスは行えるのですが、学会に登録してないクリニックだと、体外受精を利用する患者さんが、1回15万円の助成金を自治体からもらえない、というルールがネックになっているのです。知らなかった・・・

 

著者は「学者の集まりにすぎない一学会の一委員会が、神のごとく振る舞うことによって、事実上、この国の女性の人生が決められてしまっているのです。」と憂いています。そして、国はとにかく「子どもを産め」と言うだけでなく、女性の生物学的な特性を考慮しながら、女性の前向きなライフスタイルのために、生殖補助医療技術の利用を制限して自由な選択を奪わないで、と訴えています。

 

著者が主張したかった、「若い時に卵子を凍結しとけば大丈夫~」は、思ったよりもとさらっと述べられていただけでした。ハウツー本っぽいタイトルとは裏腹に、非常に中身の濃い本でした。

35歳を過ぎると卵子が老化する、という事実が意外と知られていなかったように、卵子って凍結できるんだー、ということも以外と知られていないのかも知れません。かくいう私もなんとなく、卵子凍結の話は知っていましたが、結婚しないうちからそういう選択肢を持っておく、という視点には至りませんでした。いずれは、独身でありながらマンションを購入するように、卵子も凍結済みよ~、という女性が増えてくるかも知れないな、と思いました。マンションも持ってて、卵子も凍結していても、男性にはドン引きしないで頂きたいです^^

 

私自身も結婚が遅く、高齢出産になってしまいましたので、なんとなく「やっぱり若いうちに産んでたほうが良かったわ~」と、子供の相手で体力的にヘトヘトになった時や、幼稚園で若いママさんを見たときに思うのですが、30代で思い切り仕事に没頭できたのは人生の糧になったという、高齢出産だからこそ良かった面もあったりして、こればっかりは、どっちを体験しても、隣の芝生は青い、状態なのかも・・・

 

でも、すごーく気が早くて、すごーく勝手だけど、夫や私が元気なうちに孫の面倒を見てあげたいな、と思うので、自分の娘には「早く産んだほうがいいわよ~」とプッシュしちゃいそうな予感です。そのころには卵子の凍結技術もさらに進み、一般化してるのかなあ!?

 

女性の人生ゲームで勝つ方法―恋もキャリアも出産も!

女性の人生ゲームで勝つ方法―恋もキャリアも出産も!